第1表とは「第1表 居宅サービス計画書(1)」のことです。
本人や家族の意向と、ケアチーム全体で共有する総合方針が示されていて、この部分だけでも見てくれる利用者さんは多いですよね。
ケアプラン全体の方向性が示されているわけで、結構大切な内容となっています。
本人・家族の意向を正確に把握し、総合的な援助方針が決まっていく過程を一緒に学びましょう!
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第1表の作成は全体の最後に書く
いきなり本人に「どんな暮らしをしていきたいですか?」と尋ねても上手く聞き出せないのは当たり前ですよね。
初めから第1表を定めるのも難しいものです。
より具体的な困りごとから始まる第2表の課題と短期目標を考えながら、長期目標とともにまとめていく方法をお勧めします。
最後にまとめ直す方が作りやすい
総合的な援助方針、課題(ニーズ)、長期目標、短期目標、サービス内容を往復しながら、修正を加えつつ考え直してプランニングを進めましょう。
そうすることで、目的・目標・手段がはっきりした一貫性のあるプランが作成されるでしょう。
そういう意味でも、第1表は最後に完成させる方が全体の構成がより明確化されます。
私は第1表は話のオチ部分であると思って作っています。
本人の言葉はそのまま書く
本人の意向欄には、できるだけ本人の言葉をそのまま書くようにしましょう。
今後、どんな暮らしを送りたいかという本人の気持ちを撹乱なので、どのように暮らしたいか、日常生活では何を大切にしたいかという意向や希望を書きます。
これからどうしていきたいか想像してもらう
面談で「どんな暮らしをしたいですか?」といきなり聞かれても回答には困るものです。
アセスメント・生活歴などの聞き取りの中で会話を織り込みながら聞くようにすると具体的な意向が出てきやすいでしょう。
暮らしの中で気持ちを聴くこともできます。過去の話だけでなく未来の話が聞けると、本人でさえ自覚していなかったニーズや意向も判明し、プランがより深いものになるでしょう。
家族の意向は不一致具合も把握しておく
家族の意向に関しても、本人の意向と同様に会話の中で聞き取っていくのが良いでしょう。
理由は前述した通り「いきなり聞かれても困る」です。
しかしながら家族ならではの注意点があります。
誤解を生まないよう配慮する
家族とは誰を指すのかを明確にしておくことが重要になります。
「息子」「孫」ではなく、長男(〇〇様)や孫(〇〇様)と具体的に書くことをお勧めします。
また、プランに言葉として記す場合は「〇〇と計画書に記載させていただいてもよろしいですか」と一言添えるのも、今後の関係構築のためにはより良いでしょう。
家族間の意向が完全に一致する方が珍しい
家族の間で意向が異なる場合には、併記することも大切ですが、意向があまりにもこと張る場合は一旦居宅介護支援経過へ記載することが良い場合もあります。
その時その時のアドリブ力は大切です。
家族間で意向が完全に一致すればラッキーぐらいで思っておいた方が良いと思います。
大事なのは不一致具合の把握で、本人を支援していく上で大事なアセスメントの内容となるでしょう。
「計画全体の要約」だけで終わらないようにする
総合的な援助方針は、本人・家族の意向を踏まえ、アセスメントを行った結果として本人・家族はどのように暮らしたいか、という大目標を掲げる項目になります。
大目標に近づくためには、本人に対してどんな支援が必要なのだろう・・・。
と考えた内容を本人や家族、そして専門職の人たちと共有するものが総合的な援助方針となります。
時間がないのは重々承知ですが、ただ単に計画全体の要約だけにするのは勿体無いですよね。
専門職が困った時に振り返られるように
専門職の人たちが、何のために介護・看護を行っているか振り返られるような文章を書くのが理想ではないでしょうか。
サービス担当者会議の時に心を掴んでやりましょう。笑
また、この欄に緊急時の連絡先やかかりつけの病院、主治医の名前を書いておくと関係者間での情報の共有が確かなものになります。
まとめ
ポイントをまとめたのがこちらです。
本人の意向 | □面談の最後の方で聞けているか □本人の言葉 □今後のどのように暮らしたいのか(将来の話) □日常生活で大切にしていること |
家族の意向 | □面談の最後の方で聞けているか □続柄は長男、次男の妻など細かく分けているか □名前も把握しているか □家族感の意向の不一致具合も把握できているか |
総合的な援助方針 | □それぞれの意向を踏まえ、大目標を掲げているか □大目標に向けての支援方針が書けているか □専門職がケアの振り返りの時に参考になる文章か □緊急連絡先・かかりつけ医の有無 |
第1表はケアプラン全体の方向性を定める重要な要になります。
ただの「要約」としてではなく、利用者・家族が暮らしを前向きに捉えてもらえるような計画書にしたいですよね。
現場の人は第1表をみてケアマネの見る目を変える人も少なくないので、毎回気合を入れて書いています。
他にもたくさん業務がありますが、流れ作業にせず一つ一つ丁寧にこなしましょう!