ケアマネさんの時短術!
ケアプランってどうやって書くの?
文章にして表現するのが苦手だ…
ゼロから考える時間がもったいない!
といったケアマネージャーの皆様の一助になれればと思い記事を作成しました。
当記事では仮の利用者を立ててケアプラン第1表〜第2表の文例を紹介しています。
似ている利用者様がいらっしゃいましたら是非文例をご活用ください!
随時更新していきます!!
認知症のケース編
87歳・認知症・高血圧・甲状腺低下症
氏名 | A子さん |
年齢 | 1936年4月15日 |
病歴 | 高血圧、甲状腺機能低下症、認知症、心性による下肢の浮腫 |
生活歴 | A市生まれ。若い頃から芸術に興味を持ち、美術学校で絵画を学ぶ。美術家として認められ、展覧会での作品展示や個展が成功を収める。 美術の道に進んで、教育分野でも活躍し、美術の教師として定年まで働く。20歳で結婚し2人の息子にも恵まれ、家族とともに美術作品も制作している。 A子さんは若い世代にアートを教えることを生き甲斐にしていた。60歳のときに夫を亡くしてからは一人暮らし。地域の高齢者センターでアートイベントも主催していたが、最近、高血圧や甲状腺機能低下症の診断を受け疲れやすくなり、認知症の初期症状も見られるようになったことから地域の活動は他の人に譲るようになっている。活動と生活に支障が出てきて現在に至る。 |
本人の意向 | この家で住みながら芸術活動を続けたいけど、疲れることも増えていって不安なことが増えてきた。 |
家族の意向 | 仕事があり遠くに住んでいる。支援するのは難しいけど家で気ままに過ごしてほしい |
課題分析の結果 | 利用者及び家族の意向から、自宅での生活が不安なく行えるようにし、介護サービスを利用しながら外出の機会を確保し、本人の身体機能の低下と介護者の負担を軽減していく必要がある。 |
総合的な援助の方針 | 定期的な受診を行いながら、病状が安定しご自身で健康管理ができるように支援します。 家の中では介護サービスを利用しながら疲れない過ぎないようにしていきましょう。 これからもA子様が生き甲斐とされている芸術活動が続けられるよう支援しハリのある暮らしを送りましょう。 |
ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 | サービス種別 |
---|---|---|---|---|
一人暮らしで物忘れも出てきた。持病が悪化しないように正しく健康管理を行いたい | 病状が安定し、今の健康状態が維持できる | 高血圧と甲状腺機能低下症の件に関して、A病院へ定期的に受診できる(月1回) | ・車での送迎 ・病院内付き添い ・状態の変化を医師への情報伝達 ・療養上の指示の確認 | 本人・家族・訪問介護・病院 |
服薬管理、血圧の確認が自分で行える | ・服薬カレンダーの使用 ・定期的な服薬状況の確認 ・血圧の測定 | 本人・家族・CM | ||
甲状腺機能低下症で疲れやすくなっている。ふらつくことも多くなってきたが、いつまでも自分の足で歩きたい | 家の中を1人で安全に歩くことができる | 頻繁に使うトイレや風呂、ベランダへの出入りが安全に行える。 | ・廊下、トイレ、風呂、ベランダに手すりの設置 ・シャワーチェアの使用 | 本人・福祉用具会社 |
物忘れが出てからは、地域の活動を休んでいたが、以前のように友人たちと仲良く絵を描きたい | 地域での自身の役割を通し、日々に生きがいを取り戻しハリのある暮らしを送ることができる | 体調を考慮しながら、地域の活動に参加できる | ・絵画の指導、制作 ・自分の作品を展示会に出品する | 本人・友人 |
友人たちと定期的に集まり趣味を楽しむ | ・カレンダーで予定を管理する ・友人が集まれるように部屋の掃除が行き届く | ・予定の管理を一緒に行う ・共同作業による家の中の掃除 | 本人・訪問介護 | |
物忘れがあっても、考えすぎず穏やかな心で暮らすことができる | ・毎日日記をつけて、頭を使う機会を持つ ・孫との電話で本の音読を聞きながらコミュニケーションを取ることができる | ・毎晩日記をつける ・定期的に孫と電話する | 本人・家族 |
78歳・認知症・アルコール依存症・高血圧
氏名 | B太さん |
年齢 | 1945年11月6日 |
病歴 | 認知症 アルコール中毒 高血圧 |
生活歴 | B太さんはもともと活発で社交的な性格。地元では多くの友人を持っている。妻と息子は50歳の頃に事故で他界している。定年退職後、毎日の散歩を日課としていた。70歳の頃に物忘れが増え、散歩中に自宅の場所を忘れることが現れ警察に保護されることもあった。この認知症の症状に加えて、50歳の頃にアルコール依存症から断酒をしていたが、最近、夜中に起きてコンビニでお酒を買い際限なく飲んでしまった。地域の人が役所に相談し支援に至る。本人はできるだけ自宅で過ごしたいと考えている。地域の人もB太さんの支援に協力的。緊急連絡先は甥。 |
本人の意向 | これからも友人とこの町で過ごしたいと思っている。お酒は辞めたい。頼ってしまうのが恐い。家に閉じこもるのは嫌だ。 |
家族の意向 | 甥:本人が安全に過ごしてもらえるならそれでいいです。人との繋がりを大切にしているおじさんのままでいてほしい。 |
課題分析の結果 | 認知症の状況とアルコール依存症の関係を把握していくとともに、精神面でも支援が必要と考えられる。 |
総合的な援助の方針 | 日常生活でアルコールに頼らないよう、不安なことも知るために介護サービスを利用していきましょう。定期的な受診と薬の服用とともに、B太様の大切にしているご友人との関係も継続できるよう支援します。日課の散歩も安全に外出できるようにサポートします。 |
ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 | サービス種別 |
---|---|---|---|---|
今は飲んでいないが、いつか飲みにいってしまわないか不安。お酒に頼らない生活を送りたい。 | 断酒を続けられる | 定期的にアルコール依存症の自助グループ参加できる | ・例会、ミーティングに参加 ・断酒仲間との交流 | 本人、自助グループ |
定期受診と薬の服用が適切に行える | ・診察、投薬 | 医師、薬剤師 | ||
物忘れが恐いが、これからも地域の皆とこの町で過ごしたい。日課の散歩も楽しみたい。 | 心身の健康を維持し、認知症の進行を遅らせる | ・受診 ・服薬カレンダーによる服薬管理 ・健康相談、助言 | 本人、訪問看護 | |
不安を取り除き混乱することが少なくなる | 混乱した時に、安心できる言葉をかけてもらえたり落ち着かせてもらえる | ・共同実践による生活援助でどの場面で混乱するかを把握し対策を考える ・日常生活の相談相手になる | 本人、訪問介護、ケアマネージャー | |
定期的に地元のコミュニティに参加し、仲間と交流ができる | 地元で役割を持ち、充実感が味わえる | ・カレンダーでの予定の管理 ・友人と電話し、慣れない場所には複数人で行く | 本人、甥、友人 | |
安心して散歩ができるようになる | ・GPS端末にて場所の把握 ・散歩ルートの把握 | 本人、友人、保険外サービス |
90歳・認知症・骨粗鬆症・下肢筋力低下
氏名 | C子さん |
年齢 | 90歳 |
病歴 | 認知症、骨粗鬆症、腰椎圧迫骨折 |
生活歴 | C子さんは20歳で結婚してから専業主婦として今住んでいる家を支えてきた。60歳の頃に家は全面リフォームしている。夫は85歳の頃に他界しており、2人の娘がそれぞれ月1回ずつ様子を確認しに家に来ている。認知症と骨粗鬆症の診断を受けており、88歳の頃から閉じこもりがちになり、著しい下肢筋力の低下により転倒を経験。2回の腰椎圧迫骨折もしている。現在、独歩での歩行が困難になっている。 |
本人の意向 | 長年住み慣れた家で、家族や友人と過ごしたい。今ある生活を大切にしたい。 |
家族の意向 | 遠くに住んでるが、自宅で安心して暮らせる環境を整えてあげたい。認知症の進行で他人に迷惑をかけないか心配。 |
課題分析の結果 | 認知症の進行、下肢筋力の低下により家事もできなくなってきている。記憶力や判断力の低下により、事故のリスクもある。 骨粗鬆症と腰椎圧迫骨折の既往歴から、転倒からの寝たきりリスクもあり安全に移動ができる支援が必要。 |
総合的な援助の方針 | C子さんの意思を尊重し、できる限り自宅での生活を続けるための環境整備を行います。 介護サービスを利用しながら今できることを維持していき家の中にいるだけでなく、定期的な外出や買い物等で生活にメリハリを持って過ごせるようにしましょう。 福祉用具を利用し家の中では安全に過ごせるようにし、これ以上のケガ予防に努めていきましょう。 家族以外にも、顔見知りの関係が作れるように支援します。 |
ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 | サービス種別 |
物忘れが始まり家事をやらなくなったが、できる範囲で働きたい | できることを維持し、心身の健康を保つ | 今の身体能力でできる家事を行いやすいよう工夫できる | ・どこに何がしまってあるかわかるようにメモする ・得意料理のレシピを本人と一緒に書き出しレシピ帳を作る ・調理時、疲れた時に座れる環境を整える ・できることを増やしながら一緒に行う | 本人・家族・訪問介護 |
下肢の筋力低下でふらつきが多くなってきた。自分の足で歩いて暮らし続けたい。 | 現在の歩行能力や日常生活上の行為を維持することができる | 歩行支援プランを作成し、定期的に運動、リハビリが行えている | ・マッサージ、ストレッチ、筋力トレーニング ・歩行器の使用方法の助言 | 通所リハ |
家の中を1人で安全に歩くことができる | トイレや風呂を1人で安全に利用することができる | ・廊下、脱衣室、トイレに置き型手すりの設置 | 福祉用具貸与 | |
閉じこもりにならず、楽しく外出ができるようになりたい | 顔馴染みの関係が作れるようになる | 定期的に外出ができるようになる | ・行きつけの美容院に一緒に行く ・美容院でおしゃべりする | 本人・家族 |
・認知症カフェに参加する ・悩みや思いを話し合う | 本人・家族 |
パーキンソン病
80歳・パーキンソン病・下肢筋力低下
氏名 | D子さん |
年齢 | 80歳 |
病歴 | パーキンソン病・廃用性症候群診断 |
生活歴 | 70歳の頃に夫を亡くし、78歳の時にパーキンソン病の診断。現在、定期的に病院で経過観察を行い、薬物療法を受けている。大きな症状は出ておらず安定してるが、徐々に下肢筋力が低下しており、自力での歩行が困難になってきている。2人の子とは別居しているが、現在1人の孫(29歳)と同居している。日中は独居。買い物は近くに住む妹が時折手伝ってくれるが、妹も心臓に病気を持っている。喋るのが好きで、近所にも友人は多い。 |
本人の意向 | できる限り自立した生活を送りたいと希望しています。特に、家族との交流や近隣とのコミュニケーションを楽しみながら、社会的なつながりを保ちたいと考えています。また、趣味の手芸や編み物を続けたいという強い意志があります。 |
家族の意向 | 母が自分の家で快適に暮らせるように支援したいと考えています。父を亡くしてからも大変な日が続いていたので、楽しい思い出を作り続けてほしいです。買い物や日常のサポートを続けたいが長く続けられるかが心配。 |
課題分析の結果 | パーキンソン病に伴う運動機能の低下と下肢筋力の低下により、転倒リスクが高い。 独歩が困難なため、日常生活動作に支援が必要。 コミュニケーションを楽しむ一方で、孤立感を防ぐための社会的なつながりが重要。 趣味の手芸や編み物を続けるための環境整備が必要。 |
総合的な援助の方針 | 自宅での安全な生活環境の確保:住環境を見直し、安全に在宅生活が継続できるよう支援します。 身体機能の維持と転倒予防:定期的なリハビリと運動計画を導入し、筋力の維持と転倒予防に努めましょう。 社会的なつながりの維持:介護保険サービスを利用し、D子さんが社会的な交流を続けられるよう支援します。 趣味活動の支援:手芸や編み物を続けるための環境を整え、充実した生活を送りましょう。 家族との協力体制の強化:家族と連携し、D子さんの生活を支えるためのサポート体制を強化します。 |
ニーズ | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 | サービス種別 |
定期的に受診を続けて、パーキンソン病の症状の悪化を緩やかにしたい。 | 病状の管理ができて、安心して在宅生活が継続できる。 | パーキンソン病の症状をコントロールできる。 | ・定期受診 ・服薬管理 | 家族 医療機関 |
動き出しや立ち止まる時に思うように動くことができず転倒してしまうことがある。 | 転倒することなく、自宅で安心して生活を続ける | 家の危険箇所が減り、転倒することがなくなる。 | ・特殊寝台及び付属品(起き上がり時に必要) ・手すり設置(必要に応じ住宅改修) | 福祉用具貸与 |
今の動ける体を維持したい。できればもっと動けるようになりたい。 | 現在の身体機能が維持向上し、転倒が予防できる。 | 定期的な運動で、身体の柔軟性を維持し筋力の向上が目指せる。 | ・個別機能訓練 ・マシントレーニング ・口腔機能向上訓練 ・入浴 | 通所介護 |
人とのコミュニケーションは好き。1人でいるのは寂しい。 | 積極的にコミュニケーションを取り、寂しさが解消される。 | 定期的に外出し、社会的な交流を続けられる。 | ・他者との交流 ・レクリエーション | 通所介護 |
自分でできないことが多いが、自分のことは自分でしたい。 | 身の回りのことが行えて、自信を持って自宅で過ごすことができる。 | できるだけ身の回りのことが行える。 | ・家事全般の自立支援(洗濯・掃除) ・買い物代行(希望時は同行も可能) ・デイサービスの準備 | 訪問介護 |
これからも趣味である手芸は続けたい。 | 手芸や編み物を続けられ、楽しみが増える。 | 必要な道具や材料を揃えられる。 | ・手芸用品の購入 ・手芸活動のサポート | 家族 |
(家族より)これからも母が自宅で過ごせるよう家族でも話し合いたい。 | 家族と連携し、安心して生活を支えることができる | 家族と定期的にコミュニケーションを取り、サポートを調整する | ・定期的な家族会議の開催 ・連絡手段の確保 | 家族 ケアマネ |